窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ウエスものがたり【第八回】ウエスができるまで-包装

ようやくウエスの包装です。包装は先ほど計量のときに平らに伸ばして積み重ねたウエスを二つ折りにし、ビニール袋に詰めます。こうすることでウエスを使うとき一枚一枚取り出しやすくなるのです。包装されたウエスは一袋2kgあり、5袋つまり10kgを一単位…

繊維リサイクルの歴史 【014】供給過剰によるリサイクルバランスの崩壊

90年代はリサイクルに対する関心がこれまでになく高まり、「循環型社会」形成に向けた法制度も次々に施行された時代でした。ところが「循環型社会」に最も適合するはずの故繊維を含む再生資源業界はなぜか世間の関心の高まりとは裏腹に未曾有の危機に直面し…

ウエスものがたり【第七回】ウエスができるまで-品質検査

たかがウエス、されどウエス。ウエスは製品として出荷される前に何度も何度も徹底して検査が行なわれます。今日この記事を読まれることでウエスがただの切れ端ではない、立派な工業製品であるということがお分かりいただけると思います。ではその検査工程を…

繊維リサイクルの歴史 【013】ごみ問題の行き詰まり

71年のニクソンショック、それに続く73年のオイルショックにより日本の高度成長は終わりを告げ安定成長期に入りました。変動相場制移行に始まる日本の円高は85年のプラザ合意以降急速に進み、海外から安価な製品が流入するようになる一方、日本は世界一の物…

ウエスものがたり【第六回】ウエスができるまで-裁断作業

ウエス原料が選び出されたら、次にそれらを裁断します。かつて裁断には剃刀や鎌が使われていましたが、高度成長期ごろから写真のような電動裁断機が使われるようになりました。このウエス用裁断機は日本で発明され、現在では世界中でこの形の裁断機が使われ…

繊維リサイクルの歴史 【012】中古衣料輸出のはじまり

逆にわが国の衣生活がますます豊かになった結果として、まだ着られる衣服がぼろとして大量に回収されるようになりました。女性用の肌着やクリーニング店の袋に入ったままの背広、レースのカーテンなどですが、これらは残念ながらウエスにも反毛原料にもなり…

ウエスものがたり【第五回】ウエスができるまで-選別作業

ウエスは大抵の場合一般の家庭から回収された衣料の中からウエスに適したものを選び出して作られます。選び出されるのは一言でいえば「綿素材」ということになりますが、具体的な衣料の種類で申し上げますと、Tシャツ、肌着、シーツ、Yシャツ、ブラウス、ポ…

繊維リサイクルの歴史 【011】繊維製品多様化への対応

鉄や紙は回収して溶かせばまた素材に戻ります。経済が発展し産業界は設備の拡大を続けていましたから、ぼろと違いこれらの再生資源業界は値段が上がらなくても量を扱うことによって対処できました。 しかし素材に戻すことのできないぼろの場合は事情が異なり…

ウエスものがたり【第四回】ウエスの種類

さて、前回まではウエスという産業がどのようにして興ってきたのかについてお話してきました。これからはウエスというものが実際どのようなものなのか、どのようにして作られるのかなど珍しいウエスの製造過程についてお話していきたいと思います。ウエスを…

繊維リサイクルの歴史 【010】「ちり紙交換」の登場と故繊維業界

高度経済成長により日本人の暮らしは豊かになりました。所得が上がる一方、生産方式の合理化、技術革新、また海外から原料が安価に入手できるようになったことにより、もはや再生資源の値段が上がることはなく、業者としては価格の低下分を数量で補填するし…

ウエスものがたり 【第三回】日本の主要輸出品目だったウエス

一方、開国したばかりの日本に大量の綿布があることに気づいた西欧諸国はきっと驚いたことでしょう。われわれ日本人は木綿というと何か庶民的な、安いものというイメージを持っています。例えば徳川家光が慶安2年(1649年)に出したとされる、俗にいう「慶安…

繊維リサイクルの歴史 【009】伝統的回収システムの崩壊

昭和29年の秋、東京や大阪の一部の学校で廃品の「学校回収」が行われました。今日行われている「集団回収」と似ていますが、これは児童に家庭から古新聞や古雑誌、ぼろ、空き瓶、鉄くずなどを持ってきてもらい、それを売却して学校の諸経費に当てようという…

ウエスものがたり 【第二回】日本文化が生み出したウエス

さて、ウエスは一般にぼろ、つまり使い古した衣料から作られます。何故わざわざ使い古した布を使うのかといいますと、その方が油をよく吸う良質の拭き物になるからです。ウエスは木綿布が中心ですが、新品の木綿は繊維に脂分を含んでおり、水や油の吸い取り…

繊維リサイクルの歴史 【008】繊維工業の隆盛

朝鮮動乱特需を第一のピークに、その後の日本経済は好況不況の波を繰り返しながらも発展の道を歩みます。そして世界史上空前の高度経済成長を遂げるのでした。 そんな中、ぼろの相場は比較的落ち着いた動きで推移します。それは昭和30年ごろには早くも綿糸や…

ウエスものがたり 【第一回】ウエスの由来

主に工場などで油ふきなどに使われる雑巾をウエスといいます。ウエスという一風変わった名前は、英語でくずやぼろを意味する”Waste”が訛ってできたものだといわれています。しかし日本には昔から「雑巾」や「布巾」という呼び名があるのに何故「ウエス」など…

TV放送予定のお知らせ

2008年7月6日(日)17:30-18:00 フジTV「FNN スーパーニュース ウィークエンド」 当社秦野工場がとりあげられます。 繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした よろしければクリックおねがいします! ↓

繊維リサイクルの歴史 【007】戦禍からの復興

戦火が激しくなるにつれ、生活物資はますます窮乏して行きました。繊維についても、前回お話した綿製品にスフを30%混入する規制などは最早遠い過去の話となり、桑の皮などおよそ繊維と名のつくものは何でも混入するようになりました。毛織物に至っては犬や…

繊維リサイクルの歴史 【006】軍需景気で活況を呈するが

昭和2年の金融恐慌、続く昭和4年の世界恐慌により故繊維業界も他の産業と同様、物が全く動かないという深刻な状況に陥りました。ところが昭和6年に満州事変が起こります。既にお話したように兵器のメンテナンスなどに欠かせないウエスですから、この軍需を受…

繊維リサイクルの歴史 【005】再生資源業界の成立と発展

第一回でお話したように、江戸時代から屑物や古着、古道具などを扱う業者は大勢いましたが、いわゆる産業として一つの業態を形成するには至っていませんでした。これらがいわゆる「再生資源業」として成立したのは明治の中ごろから大正時代にかけてのことと…

繊維リサイクルの歴史 【004】反毛のはじまり

イギリスの産業革命が毛織物、綿織物から始まったように、近代化当初産業の花形は繊維工業でした。洋紙という全く新しい技術を入れなければならなかった製紙工業とは違い、繊維工業は諸藩で産業奨励が盛んに行なわれていた背景があるためか、まず国内におけ…

繊維リサイクルの歴史 【003】ウエスのはじまり

工場の油ふきなどに使われる布切れをウエスといいます。このウエスは英語で屑やぼろを意味する”Waste”が訛ってできた言葉です。余談になりますが、ベルベットのことを別珍(べっちん:現在ではひょっとして死語になっているかもしれません)といいます。これ…

繊維リサイクルの歴史 【002】ぼろを原料にスタートした製紙工業

古繊維(ぼろ)、すなわち使用済みの衣類や布類は縫い物用として江戸時代にはすでに売買されていました。しかし、前回述べましたように当時はまだぼろの回収を専業とする人はいなかったようです。ぼろを専門に扱う仕事、つまり「業」が成立するのは明治以降、…

繊維リサイクルの歴史 【001】繊維リサイクルの歴史

「リサイクル」というと非常に新しい、流行り物のようなイメージをお持ちの方も多いのではないかと思います。ひょっとしたらそうした過熱するブームに食傷気味の方も居られるかもしれません。しかし資源を再利用するという行為そのものは、実はわが国におい…

国力論 経済ナショナリズムの系譜

僕のような薄学の輩が言うのも何ですが、経済学史の通説を覆す一冊。とりわけマーシャルとヘーゲルについてはあまりにも既成の認識と異なっていたので、僕もこれをどう理解したらよいのか当初は頭が混乱しました。思想史を辿っていくと古典派経済学は決して…

TV放送予定のお知らせ

2ヶ月ぶりの更新です。 今週の日曜日、下記番組の終わりの方で当社秦野工場がチラッと映るかもしれません。 (放送日) NHK総合テレビ(1ch)にて 2008年6月8日(日曜)17:00より 東京カワイイTV http://www.nhk.or.jp/kawaii/ 繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田で…